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2015年10月より看護師の特定行為研修制度が開始されました。この研修を受けることによって、医師の手順書に従えば専門性の高い21区分38種類の医療行為を行う事が可能となります。

この特定行為研修制度が開始される以前は、医師の指示に沿って看護師が同様の医療行為を行う事そのものはOKとされてきました。では上記制度の開始前後で何が異なるのかと言いますと、端的に言えば医師の指示の仕方です。

以前は、看護師が医療行為を行う事が必要だと判断しても、それぞれの医療行為に対して逐一医師の指示を待つ必要があったのです。看護師に医師の業務を分担できるというのはメリットであると言えますが、一方で一つ一つ指示を出さなければならないのは、やや非効率的であったと言えるでしょう。

上記制度によって、看護師は手順書に記載してある内容にのっとり、患者の容体に応じて看護師自身の判断のもと迅速な措置を行えるようになったのです。これにより、より合理的・効率的な医療提供の体制が一歩改善されたと言えるでしょう。

例えば、気管カニューレや胃ろうカテーテルの交換、インスリンの薬剤投与量の調整による血糖コントロール、脱水と判断された際の点滴による水分補給、などが行えるようになりました。

今後ますます進行していくであろう高齢化社会では、医療行為を必要とする診療の現場は病院や診療所だけでなく、患者の自宅・介護施設等ますます多様化していくと考えられます。そのような現場に常時医師が居るという事は現実的ではなく、看護師と医師など他職種間の協力が重要なカギになっていくことでしょう。その協働によって大きな役割を担えるようになると期待が寄せられています。このような仕組みも医師偏在問題と医師不足問題を緩和する為に大いに貢献するとみられます。