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血液検査値などを表記した処方箋を使用している病院は少しずつ増えてきていますが、とは言えまだまだ普及しているとは言い難いのが実情です。

しかしながら検査値の表記がある処方箋は、薬局薬剤師にとってもアセスメントを行う上でとても役に立つと言えます。処方箋に記載された検査値が疑義照会のきっかけとなる可能性だってあるからです。また、必要な情報をより効率よく収集することに繋がるケースもあります。とはいえ前述した通り普及にまでは至っていないのが現状。

その理由は、処方箋に記載する検査値をその都度処方医が選択しているからではないかと思うのです。とはいえ、処方箋を発行する医療機関によって差異はあるかと考えられます。その都度処方医が「この表示はいる・この表示はいらない」とわざわざ選んでいると、処方箋を発行する手続きは煩雑化してしまいます。この事を忌避している可能性が高いのではないかと推測します。

加えて、意図せず記載を忘れてしまう可能性が生じる事もある点から、あまり合理的なシステムでないと感じているのかもしれません。若しくは、あえて薬局に検査結果を共有したくない意図があるのかもしれません。

また、すべての病院で電子カルテを用いているわけではありません。紙のカルテを使用しているところもあれば、血液検査は自施設ではなく外注しているところもあります。こういった点も加味して、検査値を印字した処方箋を発行するシステムはコスト・手間暇の関係から普及に至れていないのです。

しかし患者さんにとってより最適な薬物療法を提供する為には情報共有が1つ鍵となる為、それを達成するためにはこの問題を打開する方法を模索する必要があるでしょう。