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夜勤専従看護師になる前に知っておきたいメリット・デメリット

看護師の働き方は多種多様で、その中には夜勤専従という選択肢も含まれています。これは、休日が多く、日中の時間を自由に活用できるというメリットがありますが、一方で生活リズムの変化に伴う体調管理やコミュニケーションの問題など、理解しなければならない課題も存在します。それでも、適切な対策と工夫により、これらの課題は克服可能です。

今回の記事では、そんな夜勤専従看護師として働くための具体的なメリットとデメリット、そして適応するためのコツをご紹介します。

夜勤専従看護師とは?

夜勤専従看護師は、その名の通り、夜の時間帯に働く看護師のことを言います。昼間は働かず、夜間だけを担当する彼らは、昼夜が逆転した特殊な生活リズムを送っています。一般的には、一回の勤務時間は長めですが、夜勤明けは休日となり、1ヶ月の勤務日数が少なめとなるのが特徴です。

業務内容としては、食事の介護から配薬、睡眠のサポートまで、患者さんの生活全般を支えるものです。また、おむつ交換や体位交換など、患者さんの体調管理も重要な役割となります。勤務時間の長さと体力的な負担は否めませんが、救急搬送等の特別な事態がなければ、仮眠時間も確保できます。

体力と精神力を必要とする職業ではありますが、働く時間をまとめて確保でき、自分の時間を大切にしたい方にはピッタリの職種です。

夜勤専従看護師として働くメリット

ここで夜勤専従看護師のメリットについて詳しく解説します。

高収入

夜勤専従看護師で働く最大のメリットは、高収入が見込めるという点です。具体的には、夜勤手当が大きな割合を占めるため、年収相場が一般の看護師より高くなる場合が多いです。

たとえば、日勤と夜勤を組み合わせて働く看護師の年収相場は約480万円ですが、日勤のみの看護師は約400万円。この80万円の差は、夜勤手当の存在が大きく影響しています。

夜勤手当の具体的な額は、2交代制で夜勤1回あたり約11,000円、3交代制で準夜勤1回あたり約4,000円、深夜勤1回あたり約5,000円です。さらに、夜間勤務には深夜割増賃金も加わります。

夜勤専従看護師なら、夜勤手当をより多く受け取ることが可能。具体的には、1回の勤務で3交代制の看護師の1ヶ月分の夜勤手当を稼ぐこともあります。月に10回程度の勤務でも、月給40万円以上、年収650万円以上を手に入れることが可能です。

夜勤が苦にならない方、プライベートの時間を大切にしたい方、効率よく高収入を得たい方は、夜勤専従看護師という選択肢が合うかもしれません。

日中の時間を有効活用できる

2つ目のメリットは時間を有効出来ることです。

普通の看護師とは違い、日勤が無いため、日中の時間は自分のために活用できます。趣味や習い事に通うことが可能で、役所や銀行といった平日の日中しか営業していない施設の利用も容易です。

さらに、普通のシフト勤務では思い通りに予定が立てづらいという問題がありますが、夜勤専従看護師の場合、日中は自由に時間を使えるため、友人や家族との予定を立てやすいのも大きなメリットと言えます。また、子育て中の方なら、学校行事に有給を取ることなく参加できるのもうれしいですね

日勤よりも業務内容が少ない

一般的な日勤帯では、患者さんのサマリー作成や委員会への参加など、看護業務以外のタスクも多く回ってきます。これらは必要な業務ではありますが、それらに時間をとられることで本来の看護業務に集中する時間が削がれてしまうこともあります。

しかし、夜勤専従看護師の場合、勤務時間帯が夜間に集中しているため、緊急対応が必要な職場を除けば、業務内容は比較的少なくなります。そして、勤務回数が少ないことも相まって、看護以外の業務担当になることは稀。そのため、看護業務に専念し、スキルを磨くことが可能となるのです。

人間関係が楽

人間関係のストレスが軽減される点もメリットの一つとして挙げられます。夜勤専従看護師なら苦手な人と何時間も勤務を共にするという事はほとんどありません。特に一人夜勤なら、人間関係に悩むことがありません。複数人での夜勤でも、シフトの入り方によっては勤務メンバーが頻繁に変わるため、苦手な同僚と接する時間も少なく、人間関係をシンプルに保つことが可能となります。また、怖い師長がいたとしても、一緒になるのはせいぜい夜勤入りの1~2時間程度。なぜなら、師長の勤務は日勤が主で、夜勤に入ることは稀だからです。

どんなに苦手な相手でも、たったの1、2時間だけなら耐えられますよね。

以上から、普通の看護師に比べて夜勤専従看護師は人間関係のストレスを少ないと言えるでしょう。

夜勤専従看護師として働くデメリット

夜勤専従看護師として働くことはメリットが多い反面、課題もいくつか存在します。

体調を崩しやすい

夜勤専従看護師が直面する大きな問題の一つは、昼夜逆転生活が及ぼす体調の変化です。人の体は「昼に活動、夜に休む」というリズムを基本としています。それに反する生活を続けると、自律神経の乱れから体調を崩しやすくなることがあります。寝るべき時間に起きて働くため、週に1~2回の夜勤だけでも自律神経の乱れを引き起こす可能性があります。

こうした体調不良が続くと、看護師自身が「夜勤専従として働くのは諦めるべきか?」と思う瞬間もあるでしょう。だけれども、夜勤専従としての働き方を諦める必要はありません。

重要なのは、自身の体調管理の方法を見つけ、それを維持することです。自律神経の乱れを防ぐには、適切な休息と栄養補給、そしてリラクゼーションの時間が必要となります。

求人が少ない

二つ目は求人が少ない事です。

看護師の勤務形態には常勤と非常勤がありますが、常勤は種々の手当や賞与が支給されるため、働きがいを感じる方も多いでしょう。その結果、常勤の求人に対する希望者は少なくありません。

しかし、現実には多くの医療施設が夜勤専従の人員を非常勤で補う方針をとっていることが多いです。そのため、夜勤専従の常勤の求人は少ないと言わざるを得ません。

つまり、夜勤専従常勤で働きたいと思っても、すぐには希望する求人が見つからないこともあるのです。これは、すぐに転職を希望している方にとっては大きなデメリットとなるでしょう。

看護師としてのキャリアを築く上で、求人の数や種類は重要な判断材料となります。夜勤専従の常勤という選択肢を持つことは素晴らしいですが、その実現には一定の困難が伴うことを理解しておくことも大切です。

院内でのコミュニケーションが難しい

夜勤専従という勤務形態の特性上、週に2回程度の勤務となると、他の職員や患者さんと顔を合わせる回数が減ってしまうことも少なくありません。それにより、情報共有の場面が少なくなることがあります。具体的には、日中の患者さんの状況や病院内の最新情報をキャッチできない場合があります。

しかし、夜勤専従であっても業務に支障をきたさないよう、自ら情報収集を行う方や、早めに出勤して他の職員とあいさつしながら情報を共有するなど、工夫をする方も多いようです。

どんな人におすすめ?

夜勤専従看護師として働くメリット、デメリットを踏まえてみると、特に次のような方々にこの勤務形態は向いているといえるでしょう。まず、休日が多く欲しい方です。日勤に比べると勤務日数が少なくなるため、休日が確保しやすい傾向にあります。

次に、日中の時間を有効活用したい方も夜勤専従看護師に向いています。習い事や趣味、介護などのために日中時間が必要な方にとっては、夜勤専従は一考に値するでしょう。

また、高めの給与を希望する方にもおすすめです。夜勤手当などの付加給があるため、給与面でのメリットが見込まれます。

そして、生活リズムが夜型の方にも夜勤専従は適しています。初めは体調を崩しやすいかもしれませんが、日勤と夜勤を行き来することのない夜勤専従では、慣れると生活リズムは一定になります。夜型の生活リズムが合っている方にとって、夜勤専従は働きやすい選択肢となるかもしれません。

夜勤の生活に適応するコツ

医療業界の夜勤専従として活躍する上で、体調管理や生活リズムの調整は大切な課題となります。そのための適応コツをいくつか提案します。

日光を浴びる

夜勤の後は、体内時計をリセットするために自然光を浴びることをおすすめします。眠くても一度外に出て、明るい日光に触れることで、生体リズムが整うことが知られています。

体力づくりを行う

夜勤専従の生活は体力を要します。健康的な食事と適度な運動は体力づくりに欠かせません。食事はバランス良く、運動は定期的に行うことで、体調を整えることが可能です。

プライベートの時間を大切にする

夜勤専従看護師の仕事は体力的に厳しいことも多く、休日は貴重なリフレッシュの時間となります。休日を心地よく過ごすことで、仕事への活力も湧いてきます。そこでおすすめしたいのが、趣味や自分磨きの時間を存分に楽しむことです。

心地よいマッサージや整体は、体調管理とリラクゼーションの一石二鳥。心地よい疲れを感じる適度な運動は、体力づくりとストレス発散につながります。

また、有給休暇を組み合わせて小旅行に出かけるのも良いでしょう。新しい風景を見ることで視野が広がり、気分転換にもなります。

仕事もプライベートも大切にしたい方にとって、心と体のリフレッシュは必須。自分だけの時間を思う存分楽しみ、元気と活力をチャージして、毎日の仕事に臨んでみてください。

まとめ

夜勤専従看護師としての勤務は、日中の時間を自由に活用できるメリットがありますが、体調管理の難しさやコミュニケーションの問題も指摘されています。しかし、きちんとした休息や適度な運動、そして自分自身のリフレッシュのための時間を持つことで、これらの課題も克服できるでしょう。

一方、夜型の生活リズムに適応できる方や、より高い給与を求める方には夜勤専従が合っているかもしれません。夜勤専従看護師の働き方は、その人のライフスタイルや働き方によります。ひとつの選択肢として、自身に合うかどうか検討してみてください。