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看護師とは国家資格であり、法的には保健師助産師看護師法で定められています。主な仕事は医師の診療を補助することにありますが、何らかの障害を持つ人の療養全般の世話も担っています。福祉の現場において、疾病を予防したり、健康を増進したりする医療従事者と換言できるでしょう。

看護師と呼ばれ始めたのは最近のことで、2001年に保健婦助産婦看護婦法から現法に改定されるまでは、看護「婦」との名称が一般的でした。言うまでもありませんが、この法改定には、ここ数十年の男女共同参画への政治運動が関係しており、その流れに疎い年輩の方は、未だに看護婦という言葉を使用しています。

 

 

国家資格であることから免許が存在し、「看護師免許」と「准看護師免許」とがあります。また、看護師の中でも専門的な技能を有する人は専門看護師、認定看護師などと呼ばれ、改めて資格として認定されます。医師や歯科医師は本業と看護を兼業することができますが、それ以外の者が看護を担うことはできません。看護師は医師と同様に専門職として、業務上知り得た秘密を漏らしてはならないとする守秘義務が課せられています。

看護師を目指す者は看護高等学校、看護専門学校、大学の医学部・看護学部のいずれかで所定の講義を受講して卒業した後、看護師国家試験に合格することで免許が与えられます。

 

 

日本における看護師の歴史は、フローレンス・ナイチンゲールの影響に始まります。19世紀末には、東京帝大や日本赤十字社の病院に、看護婦養成所が設けられました。しかし実際のところは看護師の登竜門とはなり得ず、現場で修業を積むことで看護士足り得ていました。現在の制度が整い始めたのは戦後のことであり、GHQの事実上の支配国であった米国の看護業界に学んだと言われています。