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「カンデサルタン」と「ロサルタン」はどちらも高血圧に使う「アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)」です。高血圧の他に、「カンデサルタン」は慢性心不全、「ロサルタン」は糖尿病性腎症にも適応症があります。「ARB」は全て高血圧の第一選択薬であり、血圧を低下させる効果に大きな差はありませんが、このような適応症の違いによって使い分けます。

先述したように、「カンデサルタン」は高血圧症の他に軽度から中程度の慢性心不全に対して適応があります。「カンデサルタン」には心不全の進行を抑制する働きがあり、特に「ACE阻害薬」が使えない患者に使うことができます。通常、慢性心不全には「ACE阻害薬」を使いますが、「ACE阻害薬」の副作用である「空咳」がひどい等の理由で「ACE阻害薬」が使えない場合には「カンデサルタン」が選択肢になります。

「ロサルタン」は、高血圧症の他に2型糖尿病における糖尿病性腎症に適応があります。「糖尿病性腎症」とは高血糖状態で腎臓の濾過機能が衰退する病気であり、透析の大きな原因とされています。このような「糖尿病性腎症」に対し、「ロサルタン」は腎不全の進行を抑制する効果があります。従って、「ロサルタン」は糖尿病性腎症を合併した高血圧の治療に用いられています。
「カンデサルタン」や「ロサルタン」など「ARB」には様々な種類がありますが、高血圧に対する効果にはそれほど大きな違いはありません。そのため、患者の持病や併用薬などの事情を考慮に入れ、最適な薬を選ぶのが一般的です。

高血圧治療の目的は、血圧をコントロールすることで心筋梗塞などの心血管疾患を防ぐことですが、一般的に、高血圧には自覚症状が無く、薬の服用が疎かになることも少なからずあります。そのため、薬剤師としては何のために薬を服用するのか、降圧薬の目的や意義をしっかりと患者さんに伝え、薬を飲み続けられるようにしっかりと指導する必要があります。

薬剤師にとって、薬の知識は必要不可欠でしょう。こうした知識も取り入れつつ、薬剤師としての転職活動に励んでください。