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在宅療養を行う利用者の支援と看護を行う訪問看護師の一日の流れを見ていこうと思う。まず訪問看護ステーションへ出勤し、各自その日訪問する利用者の確認と必要な医療用品などの準備を行っていく。その後打ち合わせや夜間帯の報告・情報共有などを行い、訪問先に確認の連絡を行うのである。そして利用者の自宅を訪問し、全身の状態を観察・医療処置などを行っていく。利用者が寝たきりの状態であれば、洗髪を行ったり入浴の補助を行ったりなど日常生活の手伝いもする。そのほかにも、薬の投与の仕方など利用者自身で処置が安全に行えるよう指導もしていくのである。その後は、チームカンファレンスや担当医らとの報告・相談を、場合によっては行政を担う地域に保健師とも連携を取り対応などの検討を進めていく。

このように医療処置を必要としている在宅療養の利用者を支えているわけだが、在宅療養のうちの一つに酸素療法がある。呼吸器や心臓の病気により、全身への酸素供給が自身の力でできない利用者に対して行う療養処置である。今日日本では、この酸素療法を行う利用者が約2万人いるとされ、その数も年々増加傾向にあるそうだ。またこのような呼吸器機能が弱い利用者は、適切なコントロールがとても重要である。そうでないと、酸素不足に陥ってしまい、意識を失ってしまったり、風邪をひくと呼吸が苦しくなってしまったりという事態になりかねないのである。訪問看護師が定期的に訪問することで、全身の状態の観察・把握し、無理なく生活できているかを確認していくのである。例えば肺の音を聞くなど、様々な情報から病状を理解し異常の早期発見に努めていく。
そのほかにも医療機器を自宅で使用し、利用者自身で処置をする必要な病気はそのほかにも多々あるだろう。安全に処置を行えるように、定期的に使用方法の指導・注意点の説明は行っていく必要があるだろう。

そして訪問看護師は通常一人で訪問を行う。従って、看護師個人でその都度判断を下し行動する事が求められるのである。利用者に緊急事態が発生したとする。そのとき利用者がどのような対応を希望しているのか、主治医の指示はどうなっているのかの情報を素早くスタッフ間で連絡を取り合い、迅速に処置を行わなければならないのである。判断に迷うのであれば、主治医に相談する必要もあるだろう。看護師一人ひとりの判断力と対応力は当然の事ながら、訪問する看護師を支える体制づくりもまた非常に重要なのである。