小児病棟には、親と離れて病気とたたかう子供たちが多くいます。面会可能時間は親が見守ってくれて身の周りの世話をしてくれますが、面会時間が終われば親と離れ離れになってしまいます。
子供からしてみれば、病気とたたかう事そのものもつらく苦しい事なのに、さらに親と一緒にいられないというのは大変心細く寂しい事でしょう。したがって、小児病棟における看護師の役割は、そんな子供たちを暖かく見守ること。そして時には母・父のように優しく厳しく接することなのです。
加えて、親御さんに対しても子供病状・看護の仕方、子供が抱えている不安な思いなどを伝え、支えていく必要があります。
また、小児病棟看護師として認識しておくべきことがあります。それは、子供は大人と違い、あらゆる身体機能が未成熟であるという事です。病状の悪化や、治療による副作用は一気に現れます。そしてもう一点、子供は自身の体調不良などを認識できない・上手に訴えることができないのです。看護師には、子供たちの病状の変化を、いつもと異なる言動・泣き方といった些細な事から素早く察知し迅速に対応する力が求められています。
子供というのは、遊びの中や人との関わりの中で成長していきます。年齢によって理解の仕方や理解できる内容は異なってきます。治療は苦しいものですが、その苦しさも我慢しなければ病気が治せないといったことを、DVDや人形などを用いて遊びなどの中から理解していってもらいます。なぜならば、子供自身で理解し納得したうえで治療を行わないと、心に大きな傷・トラウマを残してしまう可能性があるからです。ただ我慢するということは、多大なストレスを与えてしまいますので、理解してもらうことは非常に大切なことなのです。
ベッドから起き上がることができない、点滴のせいで走り回れないといった子供たちもいるでしょう。絆創膏に絵を描いて挙げたり、座ったままでもできる遊びを考えたりと、子供たちを楽しませるアイデアも出しながら、子供たちを笑顔にするのも小児科看護師の仕事の一つです。