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マウスピース矯正の注意点やデメリットは?メリットも併せて解説

マウスピース

歯列矯正治療といえばワイヤーと小さな金具を装着する方法が代表的ですが、近年注目されている方法に「マウスピース矯正」があります。マウスピース矯正は、目立ちにくく周囲の人に気づかれにくいのが特徴の矯正方法です。

ワイヤーを使った矯正、マウスピース矯正どちらにもメリットやデメリットがありますが、今回はマウスピース矯正にスポットを当てて解説していきます。

マウスピース矯正を行う際の注意点などについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

マウスピース矯正とは

マウスピース矯正とは「マウスピース」という器具を使い、少しずつ歯を動かし歯並びを正しくするための矯正治療を行うことをいいます。

矯正に使われる器具にはいくつか種類があります。代表的なものは「マルチブラケット装置」と呼ばれる歯の表面にワイヤーと金具をつけて矯正する方法。歯列矯正といえば、この装置を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

このワイヤーを使った矯正は、さまざまな歯並びに適応し細かい調整も効きやすい方法ですが、装置が目立ちやすかったり食事や歯磨きがしにくかったりといったデメリットもあります。

一方、マウスピース矯正はワイヤー矯正よりも目立ちにくく、食事の際に取り外すことも可能です。また、装置を付けている間の違和感や不快感なども少ないといわれています。

[メモ]

マルチブラケット装置でも、白や透明のプラスチックやセラミック製金具や白くコーティングされたワイヤーを使い、目立たなくする方法もあります。また、「マルチリンガルブラケット装置」は歯の裏側(舌側)に装着するため、ワイヤーと金具は見えにくくなります。

マウスピース矯正の注意点

近年、多くの歯科医院でマウスピース矯正治療が導入されています。マウスピース矯正に興味を持つ方や実際に治療を受ける患者さんが増えている中、さまざまな問題も出てきているようです。

ここでは、マウスピース矯正をしてみたいと思ったときにぜひ知っておいていただきたいことをお伝えします。

マウスピース矯正装置は法律に基づく医療機器ではない

マウスピース矯正治療に使用されるマウスピースは、カスタムメイド(個人用に作成された)矯正装置と位置付けられていることから、日本の法律(薬機法)に基づく医療機器には該当していません。

[薬機法とは]

正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます。医薬品(くすり)や医療機器の有効性や安全性の確保のため、製造から販売、表示、広告に至るまで細かく定められている法律です。

本来、マウスピースも矯正歯科治療に用いる器具ではありますが、カスタムメイドであるという点からこの法律に当てはまる機器ではないとされています。これはマウスピースが海外製でも日本製でも同じことがいえます。

また、薬機法に基づく医薬品や医療機器を正しく使用したにもかかわらず、重篤な副作用が生じ、入院治療が必要になったり障害が残ったりした場合、医療費などが給付される公的な救済制度が存在します。しかし、マウスピース矯正装置は薬機法に基づく医療機器ではないため、この制度の対象外となってしまうのです。

そのためマウスピース矯正治療は、信頼できる歯科医院で、主治医の先生からよく説明を受けた上で開始することが重要であるといえるでしょう。

歯科医が介さないマウスピース矯正治療はリスクを伴う

当たり前のことではありますが、矯正歯科治療は医療行為であるため歯科医が行うものです。また、日本の法律上の医療機器に該当しないことからも、信頼のおける歯科医院での治療が望まれます。しかし、インターネット上では歯科医が介在せずにマウスピース型の製品が販売され、歯並びが良くなるなどと謳っているケースもあるようです。

患者さんの独断でマウスピース型の製品を使用し歯を移動させることはリスクを伴います。そのため、このような製品を独自に購入し使用することは避けるようにしましょう。

マウスピース矯正のデメリット

「歯並びの矯正をしたいけれど、目立ってしまうのは恥ずかしい……」

このような悩みを抱えていた方にとっては、マウスピース矯正はメリットしかないように思えますよね。しかし、すべてのケースに適応するとは限らないようです。

ここでは、先ほどの注意点と合わせてもう少しデメリットについて見ていきたいと思います。

デメリット1:治療に適さないケースがある

マウスピース矯正治療が適さないケースには以下のようなものがあります。

  • 重度の乱ぐい歯がある場合
  • 歯と歯の間に大きな隙間がある場合
  • 骨格に問題がある場合

[乱ぐい歯とは]

歯の大きさとあごの大きさのアンバランスにより歯並びが悪くなり、部分的に歯が重なってしまっている状態のことです。

このような場合は、マウスピース矯正治療が適さないため他の矯正方法を選ぶことになります。

デメリット2:1日あたりの装着時間が長い

マウスピース矯正装置は自分で取り外し可能であるとはいえ、毎日長時間装着する必要があります。そのため、取り外すタイミングは基本的に食事と歯磨きのときであると思っておくと良いでしょう。

指示された装着時間を守れなかった場合、マウスピース矯正治療の効果が十分に発揮されず、満足のいく治療結果が得られない可能性も考えられます。

マウスピース矯正のメリット

マウスピース矯正のメリットはご存じの方も多いですよね。ワイヤー矯正のような存在感がないマウスピース矯正は、他の人に矯正していることが分かりにくく食事や会話の際の違和感もないのが特徴です。

ここでは、改めてマウスピース矯正のメリットについて詳しくご紹介します。

メリット1:装置が目立ちにくい

何といっても、一番のメリットでこの点ではないでしょうか。マウスピース矯正では、透明なプラスチック製のマウスピースを使うため、目立ちにくいのが特徴です。会話をする際にも口元の見た目を気にしなくて良いので、人前に出る機会の多い方でも安心して装着ができます。

メリット2:装置の着脱が容易にできる

ワイヤー矯正では通常装置を取り外すことはありませんが、マウスピース矯正では簡単に着脱できます。食事の際も取り外すことができるため、食事を楽しめる上、食べ物が装置に挟まったり付着したりすることがありません。

歯磨きもしっかりとできるためお口の中を清潔に保つことができ、むし歯などのリスクも減らせるといわれています。

メリット3:金属アレルギーの方も装着できる

マウスピース矯正装置の素材はプラスチック製です。金属は使用していないため、金属アレルギーのある方も安心して治療が受けられます。

金属のイメージが強いワイヤー矯正でも、プラスチックやセラミック、金属アレルギーの出にくい種類の金属を使っているものもあります。しかし、マウスピース矯正装置には金属が一切使われていないため、より安心できるといえるでしょう。

まとめ

マウスピース矯正とは、歯並びを正しくするために「マウスピース」という器具を使い、少しずつ歯を動かす治療法です。目立ちにくさや取り外しができるというメリットがあり、人気の歯列矯正方法ですが、適応しない症状もあるなどデメリットもあります。

手軽なイメージがあるマウスピース矯正ですが、治療に使用する装置は日本の法律上の医療機器ではないことや、ネット販売で個人でも購入できることなどもあり、注意しなければリスクを伴う可能性もあることを理解しておくことが大切です。

この記事を参考に、安心安全なマウスピース矯正治療できれいな歯並びを手に入れましょう。