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症状が快方へと向かわない時

症状が快方へと向かわない時

抗菌薬における処方提案で、状況というのは様々考えられますが、この症状が軽快しないケースが一番難しいと言えるでしょう。

実際に、このパターンで相談をうけるケースも少なくないように思われます。そして、詳細を確認していくと、その多くが抗菌薬開始前の培養検査を採取していなかったのです。しかし、相談を受けたのちに抗菌薬を変更してみたとて劇的に良くなるというケースはあまり見られませんでした。

この事から言えるのは、可能な限り、最低でも入院患者に対しては抗菌薬開始時点で必要な検査がきちんと予定されているか否かを確認する事が理想だという事でしょう。この体制が整っている事が重要になっていきます。

症状が回復しない場合に確認すべきことは、現在投与している抗菌薬のスペクトラム及び投与量・培養採取の有無・患者の免疫不全の有無・今までに得られている培養結果(たとえ結果が陰性であっても意味はあります)・挿入物の有無(フォーカスとなり得るならば抜去は可能か否かも重要ポイントです)・カバーされていない微生物・非感染症の検索などが挙げられるでしょう。万が一診断が間違っているのであれば、いくら抗菌薬を用いても害にしかなり得ないといっても過言ではないでしょう。診断そのものは医師の範疇ではありますが、臨床推論によって疾患を想定する事は薬剤師にも可能だといえます。